腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

「これで、お孫さんとも思いきり遊べますね」
「はい」

その表情があまりに嬉しそうで、俺まで胸が温かくなる。
手術前は、もう死ぬんだと希望を失っていた人だ。こうして未来の話ができるようになったことが、何よりだった。

「……なんだか先生、最近楽しそうですね」
「え?」

唐突な一言に、思わず目を丸くする。

「なんだか生き生きしていて前よりイケメンぶりに拍車がかかってますよ」
「そ……そうでしょうか」
「もしかして、意中のお相手でもできたんですか?」
「いえいえ、いい年してそんな……!」
「恋に年齢は関係ありませんよ」

そう言って、おばあさんはくすりと笑った。

「先生になびかないお嬢さんなんて、いないでしょう。どうか、お幸せにね」

そう言い残して、ゆっくりと部屋を出ていった。

「失礼します。グローバルファーマリンク株式会社の美沢です」

なかば呆然としていると、少し遅れて、明るくはきはきした声が聞こえた。
胸の奥が、かすかに高鳴るのを感じながら、俺は彼女を診察室へ招き入れる。