腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない



この日、私と一真さんは小児病棟の病室に来ていた。
康太くんの様子を見に来たのだった。

治療は、変わらず順調に進んでいた。
最初の数日は不安定な時もあったが、計画よりも早いペースで良好に向かっているという。
この調子で成長していけば、一真さんの手術も受けられるようになるだろう。

彼は今はベッドから置き出ると、子ども向け番組のダンスコーナーを見ながら楽しそうに体を動かしていた。
そんな様子を微笑をたたえてみていた美玲子さんは、私と一真さんに向き合うと、改めて感謝とこれまでの非礼の言葉をくれた。

「ありがとう……何もかもあなたたち二人のおかげです」

そうして私に暖かなまなざしを送った。

「鷹宮先生にふさわしいのは、あなたしかいないわ」
「美玲子さん……ありがとう」

私と美玲子さんは微笑みあった。

その後、一真さんは病院の玄関まで見送りをしてくれた。
ほんの束の間の逢瀬だったけれど、寂しくはない。
私たちは一真さんの部屋で同棲を始めていた。