腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

いつもの触れるようなキスと違った。
ついばむように私の唇を堪能して、欲情を誘う動き。
その官能的な感触に、うっとりと目を閉じる。
すると首筋にまでキスが下りてきて、思わず息を詰める。

「あの夜に途中で抑えたのは、君を思ってのことだった。君が俺に完全に心許すまでは、決して抱かないと決めていたから。でも――」

私を抱きしめると、彼は耳朶に唇を押し付け低く告げた。

「もう遠慮しない。君が欲しい」

体の芯にまで響くような声に、全身が震える。
深い口づけを施され、熱い想いが流れ込んできたような、胸の高揚を覚えた。

「……ベッドにいこう」

かすれた声で囁かれて、うんと小さくうなずくだけしかできない。
性急に両腕で抱え上げられた。私の体重など、もろとも思わない力強さだった。
優しい雰囲気に反した雄めいた一面をみせられて、ぞくりと体がうずく。