治療方針が固まり、康太くんの薬剤投与が始まった。
容体は安定していて、いい数値が出ているとのことだった。
院長と美玲子さんは安心すると一気に力が抜けたようで、一度帰宅することになった。
一真さんに何度も感謝の言葉を述べると、美玲子さんは私の方にも向いた。
「……ありがとう」
素っ気ない声だったけれども、穏やかさを取り戻した瞳が彼女の本心を物語っていた。
「疲れただろう? 大丈夫か?」
一真さんは休憩室に私を連れて行ってくれると、缶コーヒーを渡してくれた。
早朝で売店もカフェも空いていなかったけれども、甘いミルクテイストがほっと心を癒してくれた。
「来てくれてありがとう」
「いえ。必要としていただけて……嬉しかったです」
束の間沈黙が流れたあと、一真さんが口を開いた。
「もうおおよそは察してくれたと思うけれども、説明させてくれ」
康太くんの対策に集中する一方で、一真さんは美玲子さんさんのケアにも心を砕いていたらしい。
通常、家族の心のケアは担当医を中心に看護師やカウンセラーを交えて行うもので、美玲子さんに対しても、この基本的な対応はしていた。
しかし彼は、彼女との婚約話を半ば突き放すように断ったことに負い目を感じていた。
容体は安定していて、いい数値が出ているとのことだった。
院長と美玲子さんは安心すると一気に力が抜けたようで、一度帰宅することになった。
一真さんに何度も感謝の言葉を述べると、美玲子さんは私の方にも向いた。
「……ありがとう」
素っ気ない声だったけれども、穏やかさを取り戻した瞳が彼女の本心を物語っていた。
「疲れただろう? 大丈夫か?」
一真さんは休憩室に私を連れて行ってくれると、缶コーヒーを渡してくれた。
早朝で売店もカフェも空いていなかったけれども、甘いミルクテイストがほっと心を癒してくれた。
「来てくれてありがとう」
「いえ。必要としていただけて……嬉しかったです」
束の間沈黙が流れたあと、一真さんが口を開いた。
「もうおおよそは察してくれたと思うけれども、説明させてくれ」
康太くんの対策に集中する一方で、一真さんは美玲子さんさんのケアにも心を砕いていたらしい。
通常、家族の心のケアは担当医を中心に看護師やカウンセラーを交えて行うもので、美玲子さんに対しても、この基本的な対応はしていた。
しかし彼は、彼女との婚約話を半ば突き放すように断ったことに負い目を感じていた。



