腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

美玲子さんの言葉が、今になってナイフのように私の心に深く突き刺さる。
私は振り切るように踵を返した。

ちがう、一真さんは、そんな人じゃない。

けれど、あまりにも親密に見えてしまったあの光景が、頭から離れてくれなかった。
彼は巧みに言葉を選んで彼女をなだめていたのだろうか。
私を丸め込んだように。
様々な憶測と感情が脳内をかき乱していた。
昼間だというのに、家への帰路は真っ暗闇に思えた。





カフェで美玲子さんと話す一真さんを目撃してからというもの、胸の奥に薄い霧がかかったような日々が続いていた。
追い打ちをかけるように、一真さんとの連絡は取りづらくなっていった。
難病の件が持ち上がって以来、彼は以前にも増して多忙を極めている様子だった。
きっと、状況は深刻なのだろう。