腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

美玲子さんとの婚約は解消した。
でも、あんなに容姿端麗な女性はそうそう見かけない。
三人での話し合いをきっかけに、悲嘆にくれる彼女への愛情が芽生えたとしたら?

でも、私との婚約はとっくに知れ渡っていたので、婚約解消して美玲子さんに乗り換えるのは周りへの心証が悪い。
やはり出世に目がくらんだと揶揄されるのも、一真さんのプライドが許さない。

彼の能力と今の周りからの評価、そして都合良く情報提供をしてくれる私と言う道具があれば、彼が医療の上に行くのは時間の問題だ。
であれば、私とはただのお飾りの妻として結婚し、密かに彼女のことを本命として愛するという手段をとるのが、もっとも建設的ではないだろうか?

『医者という男はね、あなたが考えているような存在じゃないの』

もしかしたら、彼女は何もかもを知っていてあんなことを言ったの?
ここ数日抱え続けていたもやもやが、膨れ上がって私の思考を乱した。