腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

「一真さん、ごめんなさい。少しだけ返信してもいいですか?」
「だめって言うわけないだろ」

メッセージ内容は、私が勧めている案件についてだった。
どうやら進捗がうまくいっていないようだ。

「……どうした? 悩ましい顔してるけど」
「ちょっと、仕事がうまくいってないようで……」
「あるよな。まぁ、今はじたばたしても仕方ない」

そう言って、彼はフォークに刺したマフィンを差し出した。

「はい、あーん」
「え……あ、ん……んんっ!」

口に含んだマフィンは、しっとりと優しい甘さだった。思わず頬が緩む。

「んん……おいしいです」
「そんなに?」
「はい。今まで食べた中で、暫定一位です」
「暫定なのか?」
「もしかしたら、一真さんがもっと美味しいお店を見つけてくれるかもしれないので」

一真さんは失笑した。

「俺頼みか。まったく、君だけだよ、俺にマフィン探しなんてさせるのは」

唇に柔らかな感触が触れた。
不意打ちのキスに、胸がどくんと跳ねる。

「……うん。たしかに優しい甘さだな。もっとよく味見させて……」