三角屋根の下で 君と

線香花火が地面に落ちるのと同時に、胡桃はそれが凛の声だとすぐに分かってしまい、慌てて口元を手で覆うと、話そうとした悠人の口元も手で押さえて首を小さく左右に振った


どうしよう‥‥こんなの聞くつもりじゃなかったけど、ここで何もせずに2人でいるのもおかしいと思われる‥‥

悠人に向かうに行こうとジェスチャーで合図すると、なんとか伝わり静かにその場を離れた


凛‥‥本当に泱に気持ちを伝えてた‥‥

それが他人事なのに、まるで自分の事のように心臓が煩くて胸が強く締め付けられ苦しくなる


『望月さん‥今のって泱と山岡さんだよな?』

「えっ?‥あ‥うん‥そうだね。」

みんながいる場所で、この気持ちを紛らわそうと余っていた花火を手に取ると、悠人がそれに火をつけてくれた


『気になる?』

「‥‥うん‥‥2人とも大切な友達だから」

この言葉に嘘はない。

胡桃にとって2人はずっと一緒に過ごしてきた友達だ。だから、今までの関係が変わったとしても友達でずっといたい‥‥

だから、泱がどのような答えを出したとしても受け入れたいし、私も変わらないといけないと思っている

座り込んで花火をしていた胡桃は、その時左手に感じた違和感にゆっくりと視線を落とすと、悠人が私の小指に自分の小指を軽く絡めてきた


『フッ‥‥望月さん‥顔真っ赤で可愛いんだけど。』

「ッ!‥‥だ‥だって‥‥指‥」

恥ずかしくてどうしたらいいか分からない胡桃を見て笑う悠人の綺麗な顔が花火に照らされ、胡桃はそれ以上何も言えなくなってしまった

悠人といると、モヤモヤ悩んでいる気持ちが吹き飛んで助かったけれど違う意味ではいっぱいいっぱいにはなる