三角屋根の下で 君と

『胡桃ちゃん、何かいいことあった?』

ドキッ

合宿最終日の土曜

胡桃は最後の朝食の片付けを調理場に来た凛としていると、凛の言葉に焦ってお皿を落としそうになる

昨日は眠れなくて外に行ったのに、悠人と過ごした事でより眠れなくなってしまったのだ

思い出すだけで心臓がドキドキしてる‥‥

それくらい、胡桃は昨日自分を優しく見つめる悠人の存在が自分の中で大きくなってることを実感した

『あのね、今日の夜合宿最終日じゃない?今日の夜、私‥勇気を出して泱に気持ちを伝えてみようと思うの‥‥』

‥‥えっ?

ガシャン!っと音を立てて洗っていたボールを今度は本当に流しに落としてしまい、大きな金音に凛だけでなく自分自身も驚いてしまった

凛が泱に告白をするって‥こと?

忘れていたつもりなのに、昨夜泱に抱き締められたことを思い出し胸がズキンと痛んだ

凛はずっと前から泱だけが好きだったと私に教えてくれた‥‥

告白するということは、すごく決意がいることだし、勇気だって相当必要だと思う

それでも凛が自分でそうすると決めたなら、私に止める権利なんてこれっぽっちもないし、遠くから見守るしかないと思っている

「私は凛がそう決めたならそれでいいと思う」

『うん!ありがとう‥胡桃ちゃん』

複雑な気持ちを抱えたまま一度家に帰ると、やっぱり気が張っていたのかベッドに横になるとあっという間に眠りについてしまい、気が付けば夕方の四時を迎えようとしていた

バーベキュー‥か‥‥

食欲ないけど、手伝いに行かないとな‥‥

深く溜め息を吐きつつも、一度熱いシャワーを浴びてから準備をした私は着替えてまた学校の宿舎に向かう途中、体育館で練習に励む部員の中にいる泱を入り口から眺めた