吸血姫様は逆ハーレムを所望するっ!

大広間の扉を開けると玉座に座っている私がブライス姫の前に現れる。

なるほど。
金髪に金色の瞳。 間違いない、ブライアン王族の血が流れている。
あの男と同じ。 けど、随分やせ細っているね。 腕も足も細いのによくあの森を抜けてきたものだ。
少し身長はあるけど美少女の要素はそろっているのにもったいない。
服装も姫とは遠いな。 むしろ騎士に近い服装だ。

「お初にお目にかかりますブライアン国、第一王女ブライス・ブライアンと申します」
「魔王軍四天王の一魔族、吸血姫(きゅうけつき)のアイラよ」
「本日は我がブライアン国との同盟を組みにまいりました」
「早速ね」
「…少し時間がないものですので」
「あぁ、私が眠っている間に他の国は近くの魔族と同盟を組んだらしいわね。 貴方の国だけ組めてない。 他の国から随分な言われようだったらしいじゃない?」
「よくご存じで」
「私には優秀な部下がいるもので」
「それなら私も同じです」
「優秀な部下が随分少ないのね。 四人なんて、貴方本当に姫?」
「それほどこの四人は優秀な騎士なのです」
「そう。 私に物怖じしない態度は認めてあげるわ。 でもブライアン国も随分弱くなったわね。 今なら私一人で滅ぼせそうよ」

私の言葉で傍にいる騎士が 「っ! 平和条約をお忘れですか!」 と大声を上げ、臨戦態勢に入る。

「あぁ、そんなのもあったわね。 ごめんなさいね。 私つい先日まで眠っていたものだから忘れてたわ」

煽るようにそう告げると苦虫を噛み潰したような顔でこちらを見る。
優越感がすさまじい。

「剣をしまいなさい」

ブライス姫の凛とした声が響く。

「私たちは戦争をしに来たのではありません。 同盟を結びにきたのです。 もう一度いいます。 剣をしまいなさい」

ブライス姫の言葉に騎士たちはハっとした後、素直に剣をしまった。
その姿に私は”ふーん、やるじゃない”と心の中で称賛した。