吸血姫様は逆ハーレムを所望するっ!

「魔王、あんまり人類を舐めるんじゃねぇよ」


人族と魔族との長きに渡る戦いは勇者の勝利により幕を閉じた。
そうして人族魔族の間に平和条約が結ばれ、双方妥協する形で平和になった。



「アイラ様、どういたしましょう?」
「休むわよ。 先の戦いにより多くの犠牲を出したわ。 みんなの親も私のママも」
「そうですね…」
「どうせ平和条約が結ばれた今、無暗に人族を殺したら罰せられる。 ひとまず眠りについて休みましょう。 この屋敷の周りは正式に私たちの領地だから安全なはずよ。 だからこの屋敷でみんなで眠るのよ。 眠ればきっと回復するわ」
「はい。 かしこまりました」
「それに私この戦いでかなり強くなったの。 きっと眠りについたら長い間目を覚まさないわ」
「それは進化なされるということでしょうか?」
「えぇ。 普通の吸血鬼(きゅうけつき)から吸血姫(きゅうけつき)にね」
「それは進化なのでしょうか?」
「発音が一緒なだけで進化なのよっ! もう! だいたいなんで吸血姫(きゅうけつプリンセス)じゃないのよ! ママは吸血女王(きゅうけつクイーン)だったのに!」
「まあ落ち着いてください。 アイラ様」
「あんたがいったんでしょうが!」
「どうどう」
「ッフン! まあいいわ。 とにかくながーく眠ることになるから私の護衛をしっかりやるのよ! いい!?」
「はい。 人狼部隊にもそのようにお伝えしたおきます」
「勿論無理しない程度にね!」
「お心遣い痛み入ります」
「っふん。 どうせ危機的状況になったら勝手に目覚めるわよ」
「そうならないよう蝙蝠力(こうもりりょく)いたします」
「…なにそれ人族ジョーク?」
「はい」
「…まあ、面白いってことにしとくわ。 それじゃあ眠るから」
「はい。 おやすみなさい、アイラ様」



こうして私は眠りについた。
それから目覚めるまでの長い間、私は暇な時間を埋めるため魂だけを異世界へと送った。
私は人の身体に入り込み転生を二回ほど繰り返した。
その人生の中で私が一番ハマったもの。


それは乙女ゲームだった───。