なんだか、うちのクラスの前に

やたら女の子がいっぱいいる。

誰か、男の子を見ているみたい。

そしたら千咲が

「やっぱすごい人気だね。愛川樹(あいかわ いつき)。

噂には聞いてたけど

ここまでギャラリーできちゃうとか、

本トすごいね☆」

「...愛川樹??」

「嘘!?あんた知らないの??愛川樹。

結構有名だよぉ??

一年の時から、サッカー部のレギュラーで

試合でも大活躍!

おまけにあの顔!!

完璧ぢゃん??

もう毎日告白してくる女の子が

後を立たないらしいよ??

学年の半分は愛川樹狙いだって

言うくらいだし。」

彼氏もちの千咲は他人事という感じで

サラリと言う。

「...へーえ。とにかくすごいんだ。愛川樹。

まああたしは周りには流されないタイプだから

別に??って感じだけど。」

素直にそう答えた。


本当にそう想ってた。

あの時は、まだ―――――――――