色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 太陽様は国王の側近だ。
 トペニやスズメからしたら、はるかに立場が上だけに。
 頭を下げた太陽様にスズメが「やめてください」と絶叫した。

 こうして近くにいるとわからないけど。
 太陽様ってポジション的に偉い人なのか…と今更気づいた。
「俺が家にいるときは、どうか護衛の仕事は休んでください」
 とトペニとスズメに言った。

 トペニとスズメが寮に帰った後。
 太陽様は「着替えてきます」と言って部屋に戻った。
 私は、ピアノのある部屋に行く。

 はあ…とため息が零れる。
 ピアノの前に座って。
 調律せねばと立ち上がったけど。
 すぐに座り直した。
 なんか…疲れた。
 会いたかったはずの太陽様が側にいるというのに。
 なんでこんなうまく言葉が出ないのだろう。
 緊張する…

「あの、マヒル様」

 遠慮がちに入ってきたバニラに「どうしたの?」と力なく答える。
「太陽様が…」

 リビングルームに行くと。
 太陽様はソファーに座って眠りこけていた。
「だいぶ、お疲れのご様子で…」
 バニラが太陽様に毛布をかける。
「はあ…」
 眠っていることをいいことに。
 私は盛大に太陽様の前でため息をついた。
 別に太陽様にイラついているのではない。
 太陽様に気を遣わせてしまった自分にイラついたのだ。