警報前のふたり


そして高校の入学式。

式が終わって教室に一同向かった。

すると、目の前を…あの、忘れもしないあの姿を視界に入れた。


「えっ…」


ブレザー姿だし、髪も肩より少し長いくらいまでカットしているが、確実にその子だった。

俺が間違えるわけない。

話しかけて…みようかな?


教室に着き、担任の話が終わって帰っていいことになって、俺はその子に話しかけようとした。


「王子谷だっけ?」

「え?あー、うん」

「俺、明!よろしくな!」

「よろしく!」


急な挨拶にビックリした。

中学校から、顔面国宝やらなんやらと言われていて、自分で言うのもなんだが、目立つ方ではある。

男子には絡まれやすいし、女子には遠巻きに見つめられやすい。

自意識過剰ではなく。


それはさておき、あの子だ。

目をやると、穂華と話している。

穂華は俺の腐れ縁というか幼馴染だ。

中学は学区域的に離れたけど、高校でまた同じになった…。

…これはチャンスか?

そう思って近付いた。