警報前のふたり


中学校の卒業式の帰りだった。

桜舞う木の中で、俺は天使やら女神やらとすれ違った。

背中まで伸びる髪の、セーラー服の女の子。

うちはブレザーだから違う中学校の子。

目こそ合わなかったが、今まで感じたことのない感覚に襲われた。

いつまでも目で追っていたいような、傍にいたいような、そんな気持ち。

「おい、絃?」

「ああ、ごめん!ぼーっとしてた!」


友達に声をかけられてハッと我に返った。