そう思い、携帯を握りしめた。


と、同時に鳴り出す俺の携帯。


バイブの振動が手に伝わる。


「出ろよ。」


拓也に言われ、静かに携帯を開け、通話ボタンを押す。


「もしもし。」

「ぇ?!隼人?!」


驚いているような由愛の久しぶりに聞く声。


「そうだけど・・・何か用??」


本当は今すぐにでも謝りたかった。

好きって伝えたかった。

でも、俺は本当の自分を隠して、由愛に冷たく接する。


「用・・・かな??」

「何??」

「ぁのさ、留守電聞いた??」

「知らなねぇ。」

「そっか。ぁのね、あたし・・・」

「俺、由愛のこと・・・」

「え??」

ヤバい・・・

好きって言いそうになった。

「何でもない。」

「そぅ・・・。」

しばらく続く、重い静かさ。

「ぁたしね、まだ隼人のこと好き。」

その言葉が胸に響いた。



好き

好き

好き

好き

好き


拓也にもこの言葉が聞こえたのか、いつの間にか部屋からいなくなっていた。