家族とうまく行ってない訳ではない。
うちの家はいわゆるリッチで、教育的で、何事も万事正しくやっていて、隙さえ作ってある模範的な家庭だ。
そういう正しさが、時々窮屈になる。
自由にしかやっていない澪さんが時々羨ましくなる。
言い忘れていたが、澪さんは18才で大学1年生だ。
15の僕からするとカットアウトな大人なのだ、と澪さんは常々言ってくるが、僕は澪さんを自分の分身の様に思っている。
痛みがあれば一緒に痛いと思う、
傷を受ければ一緒に苦しむ。
僕が僕であるということは、澪さんありきではないけれど、僕の精神面は、澪さんにおおいに拠っている。
初めての出会いの事は書かない。
ただ澪さんは最初から澪さんで、拒食症のくせに太陽みたいな光を全身から発していた。
そういえば、僕と知り合った時、こんな下らない事を言っていた。
「可愛い男子高校生を拾いたい拾いたいと夢見ていたら、代わりに男子中学生を拾ってしまった。これは神のなせる技。チキショーやったぜえムフフ」
馬鹿なところが好きだ。


