超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

「私が頭痛で少し寝込んだだけで、今日の礼拝集会は休めと命令してきて。そのくせ自分は休まず仕事に行くことに苛立ってしまって……」
「ほうほう」
「こんな風に感情をぶつけてしまうのは、テオドール様にだけなんです」
「貴女にとって、テオドール様は甘えられる存在なのでしょう」
「!」

ヨハン大司教の言葉を聞いて、シャルロットは雷に撃たれたかのような衝撃を受けた。

「両親は甘えられる存在ではなかったからって、テオドール様にその役目を求めるなんて私……」
「ありのままの自分で愛されたいという気持ちは、人間が持つ当たり前の欲求ですよ。一番身近な人に求めるのも自然なことです」

考え込むシャルロットを見て、ヨハン大司教は優しく語りかける。

「ヨハン様、ありがとうございます。靄が晴れ渡っていくようですわ」

晴れ晴れとした表情のシャルロットに、ヨハン大司教は柔らかく頷いた。