超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

シャルロットが顔を上げると、大司教のヨハンが穏やかな笑みを浮かべて立っている。

(ヨハン様なら良いアドバイスをしてくださるかも)

「お願いいたします」
「ではあちらへ」

ヨハン大司教に促されて、シャルロットは教会内の小部屋に入った。
護衛のロアは入らず、ドアの前で立っている。

部屋は小さいながらも窓が大きく、あたたかな日差しが差し込んで心地良い。
窓の前に、木製のテーブルとソファーのセットが置かれている。
信者の相談や悩みを聞くスペースなのだろう。

「さ、どうぞ」
「失礼しますわ」

ソファーに腰を下ろし、ヨハン大司教と向かい合った。

「ここで聞いたことは他言いたしません。皆さんのお話を聞くのも大司教の役目ですので、気楽に」

ヨハン大司教のおっとりとした雰囲気に、シャルロットの口が自然と開く。

「テオドール様と話していると、急にイライラして怒鳴ってしまったり、感情のコントロールが効かない事に悩んでいて……」
「ほう、話の内容は例えばどんな?」