瞼を開いたシャルロットの目に映ったのは、自室のベッドの天蓋だった。
(私……占いの館にいたはずーー)
占い師オニキスと対峙したことやテオドールが元に戻ったことなどを思い出したシャルロットは、がばりと起き上がる。
「頭痛で倒れたのだから、ゆっくり動きたまえ」
「テオドール様!?」
ベッドサイドの椅子に座るテオドールが、手に持っていた書類を膝の上に置いてシャルロットの方を向く。
「頭痛はどうだ」
「あ、そういえばすっかり治まってます」
シャルロットが答えると、テオドールは小さく安堵の息を吐いた。
「当分サイコメトリーは禁止だ。暫く休みなさい」
「でも、昼下がりから行われる国教会の礼拝集会は欠席できません」
「それは体調よりも大事なのか?」
「大事ですよ! 大司教ヨハン様が参加される大集会ですから、グレイヴン公爵家が欠席するわけに行きません。テオドール様だって仕事に行きますよね」
「無論。拉致のせいで仕事が溜まっているからな」
当然という感じのテオドールの態度にシャルロットはカチンと来た。



