超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

室内は少し薄暗く、幾重にも重なった赤や紫色のカーテンをランプの灯りが照らす。
天井から吊るされた月と太陽をモチーフにした金属のガーランドが輝き、美しくも妖しい雰囲気。

そんな部屋の中央に、ローブを羽織った若い男が座っていた。

「ようこそいらっしゃいました」

占い師オニキスが立ち上がり、挨拶をする。
長めの黒髪に緑色の目をした、ミステリアスな雰囲気の美男。

シャルロットはさりげなく左のイヤリングに触れる。
それを見たユーリが「私は外で待っております」と言って部屋を出た。

「さあ、お座りください」

オニキスに促されてシャルロットは椅子に腰を下ろした。
大きな水晶玉が乗った丸いテーブルを挟んでオニキスと向かい合う。

「今日は何を占いましょう?」
「『手相占い』で全体運を」
「では、右手をテーブルの上に乗せてください」
「はい」

オニキスが「美しい手ですね」と囁きながら、シャルロットの右手に触れた。

サイコメトリーが発動する。