超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

「いただきますっ」

さくっとしたパイ生地はバターがたっぷり。
カスタードクリームは甘く、苺は酸味があって爽やかな味わい。

「美味しいです……!」
「それは良かった」

美味しさにうち震えるシャルロットにテオドールが無表情で相槌を打つ。
優しい声だった。


食べ終えて店を出ると、

「あっテオドール様ー!」

と遠くから声が聞こえて。
声がした方を向くと、大柄な若い男が走って来た。

「ジョン、巡回中か」
「ハイッ! テオドール様がお休み中なので、念入りに見回ってます!」

テオドールにジョンと呼ばれた青年は、焦茶色の髪にきりっとした太めの眉が実直そうだ。

(テオドール様の部下の方……?)

「ところで、そちらは奥方のシャルロット様っスか?」
「そうだ」