本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


「ふたりとも、なんの話をしてるの?」
「放っておきましょう。宮部さんは先に戻ってください。相手の事務所に連絡して、早めに取材回答のドラフト作りたいですよね」
「え、うん。そうだけど……」
「ここは俺たちで片付けておくので」

野々花は珍しく強引な三柴に押し切られるようにミーティングルームを出た。

(副社長も文乃ちゃんも、なんかすごく楽しそうだったな)

相澤に至っては彼の記事の後始末で面倒なやり取りが待っているというのに、なぜかニヤニヤと上機嫌だった。腑に落ちない部分はあるものの、回答の期日は迫っているので早く片付けなくてはならない。

(それにしても、証券会社社長の娘でモデルもしている女性に好かれるなんて、やっぱり一哉さんとは住む世界が違うんだな……)

自宅での親しげな態度や双子に対する接し方などから、いつしか彼に対して親しみを感じていたけれど、盛大な思い違いだった。