火事で自宅をなくし、誰にも頼れずにいた野々花に手を差し伸べてくれた人。双子を預かり一緒に生活する中で、彼とずっと一緒にいられたら幸せだろうと何度も思った。
「俺と結婚してほしい」
飾り気のないストレートなプロポーズに、野々花の瞳が潤む。
「……私、こんな格好なのに」
照れくさくて、口を尖らせる。プロポーズを思い出すたび、ほぼ半裸で寝転んだままの自分が思い浮かんでしまいそうだと言うと、一哉はおかしそうに笑った。
「それじゃあ、仕切り直して夜景の見えるレストランで片膝をつくか。指輪も用意してパカってしないとな」
「いっ、いいです! そんなことされたら、恥ずかしくてどうにかなっちゃいます……!」
「だったら、焦らさないで答えをくれるか?」
野々花はもぞもぞと起き上がると、バスローブの合わせを正して一哉に向かい合う。



