そう言って不敵な笑みを浮かべる一哉の表情は、美月とそっくりだ。なにをどうやって釘を刺したのかはわからないけれど、聞かない方がいいような気がした。
「それから、これを」
「今日の夕刊、ですか?」
差し出された夕刊の一面には【益田証券会社社長 逮捕】という見出しが大きく躍っている。今朝、ニュースで報じられた益田証券の不祥事と社長以下数名の役員が逮捕された経緯が詳しく書かれているようだ。
さらにその下に、同じく益田証券の事件を扱った小さな署名記事が載っている。一哉はその記載された名前を指さした。
「えっ、美月さん?」
「あぁ。姉さんの元同僚の新聞記者が以前から黒い噂のあった益田証券を調べていたんだが、俺と社長の娘の記事が出たことでなにかあると踏んで姉さんに接触したらしい。あの人も双子を撮られて頭にきてたんだろうな、嬉々として取材に協力して、しっかり不正の証拠を掴んで、最終的には寄稿までしたみたいだ」
さすがの行動力に舌を巻いていると、気になる記述を見つけた。



