本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


背後の一哉へ抗議しようと顔を向けると、すかさず唇を重ねられた。久しぶりのキスに胸がときめく。強引なのに柔らかくて甘いキスに、抵抗する気が削がれていく。

そのまま指で導かれ、野々花はくったりと身体の力を抜いた。

「もう……私、ばっかり……」
「ごめん。浮かれて意地悪しすぎたな。のぼせてもいけないし、出ようか」

甲斐甲斐しく身体を拭かれ、洗面所にある洗いたてのバスローブを着せられた。一哉のものなので大きいけれど、裸のまま着替えを取りに行く勇気もないのでされるがままだ。

リビングのソファに座ると、一哉が水の入ったグラスを持ってきてくれた。それを口にしてひと息つくと、彼は「なにから話そうか」と前髪をかき上げた。

「まず、週刊誌の件は差し止めの仮処分を申し立てて、ウェブ版の記事はすべて削除された。店頭にある雑誌も出版社が自主回収すると決まったし、先週発売の雑誌には謝罪文が掲載されてる」