「あっ……」
「やっと抱きしめられた」
絞り出すような声音は、彼がどれほどこの時を待ち望んでくれていたのかを教えてくれる。
「私も、ここに帰ってこられて嬉しいです」
広い胸に包まれると、少しの緊張と大きな安堵感で胸が満たされた。
(もう私が帰る場所は、一哉さんのもとなんだ……)
彼の地位や豪華なマンションに気後れする気持ちがないとは言えない。それでも、この腕の中の心地よさを失いたくない。
しがみつくように腕を背中に回すと、一哉の心臓もまたドクンドクンと激しく鼓動しているのがわかる。
「おいで」
「きゃっ!」



