ふとデスクに置いていたスマホに視線を移すと、メッセージの受信通知が来ていた。
【お疲れ様。今日は俺たちの家に帰ってきて】
待ち侘びていた言葉に、思わず頬が緩む。一哉からのたったひと言のメッセージで、今日の疲れがすべて吹き飛んだ気がした。
大急ぎで支度を済ませると、逸る気持ちを押さえて美月に連絡をする。
『一哉から連絡があったわ。よかったわね、野々花ちゃん』
「本当にお世話になりました。あの、後日改めてお礼に伺うので、今日は――」
『ふふっ、わかってるわ。一刻も早く一哉に会いたいのよね』
「……はい」
正直に頷くと、電話の向こうで笑い声がする。快諾してくれた美月にもう一度お礼を告げて電話を切り、足早に帰路につく。途中、何度も足が縺れそうになりながら、ようやく一哉のマンションへたどり着いた。
初めてここへ来た時はホテル顔負けの豪華さに唖然としたものだが、同居していた数カ月で少しは慣れてきた。そして十日ぶりに足を踏み入れた今、懐かしさで胸がいっぱいになっている。



