本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


「たぶん、社長が動いてくださったんだと思いますよ」
「えっ?」
「俺もそう思います。広報部長とはいえ人事権はないでしょうし、社内で大声で宮部さんをこき下ろしている奴を、あの社長が放置するとは思えません」
「あ! 言っておきますけど、公私混同だなんて思ってないですからね。みんな後藤さんには嫌な思いをさせられてたんですから、正当な対処です」

文乃は胸を張ってそう言うと、三柴がすかさず「なんでお前がそんな偉そうに言うんだよ」と笑う。

相変わらず和気あいあいとした雰囲気のチームにホッとした野々花は、「よし! 始めようか」と気合を入れて仕事に取り掛かった。


定時を迎え、野々花はグッと両手を天井に向けて背筋を伸ばす。

槇原がフォローしてくれていたとはいえ、今日の仕事量は普段の倍以上だった。野々花は溜まりに溜まったメールに目を通し、優先順位をつけながら業務をこなしていった。幸い、急ぎの案件はなかったが、さすがに疲労困憊だ。