本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


野々花は美月の自宅でお世話になる代わりに、双子の世話や家事を引き受けていた。

相変わらずやんちゃな双子や、情に厚く、型破りで豪快な美月と過ごすのはとても楽しい。美月は一哉の子供の頃の話を面白おかしく聞かせてくれた。

自分が着られなくなったお気に入りのワンピースを一哉に着せてお人形ごっこをしていたことや、一哉をメイクの練習台にしていたこと。しつこく交際を迫る男性を追い払うのに恋人役を頼んだり、ミスコンのエスコート役をさせたことなど、次から次へとエピソードが飛び出してくる。

きっと彼女は、野々花が寂しがっているのを慰めるために一哉の話をしてくれているのだろう。

先週の金曜の夜に一哉が美月のマンションを訪れて以降、連絡はメッセージのみで電話もしていない。声を聞いてしまえば余計に会いたくなってしまうと、互いにわかっているのだ。

美月の優しさをありがたく感じ、野々花は笑顔で話に耳を傾けた。