ぼくと世界とキミ


「ロイ!なんとかして!!」

打つ手なしのこの状況の中、遠くから少女の叫び声が聞こえた。

ドラゴンは少女を決して泉には近付けない様に邪魔をしている様で、少女はドラゴンの周りをヒラヒラと飛び回りながら困った様に眉を顰めている。

……なんとかって言われても。

困った様に肩を竦めて見せたその瞬間、またドラゴンの口から激しい炎が放たれた。

それは真っ直ぐに俺に向かって飛んで来る。

……しまった……避けられない!!

迫り来る灼熱の炎にギュッと目を閉じたその瞬間、冷たい風が俺の横を通り過ぎた。

そして激しい衝撃音と共に爆風が起こり、それに体ごと吹き飛ばされゴロゴロとみっともなく地面を転がる。

……いてて……体が痛い。

でも……生きてる。

地面に寝転んだまま体のパーツを確認するが、どれもこれもちゃんとくっついている様だ。

ヒリヒリと体中が痛むが……どうやら大した怪我はしていないらしい。

寝転がったままそっと顔を上げると、ドラゴンと対峙しながら心配そうに俺の様子を窺うセリアと目が合った。

……どうやらセリアの魔法で助かったらしい。

……なんだか助けられてばっかりだな。

イイトコ無しの自分に少し情けなくなったが、とりあえず今は気にしない事にした。

心配そうなセリアに向かってヒラヒラと手を振って見せると、セリアは安心した様にホッと息を吐いた。

あれからジルが何度かドラゴンを攻撃しているらしいが、やはりダメージは与えられなさそうだ。

ジルと目が合った瞬間、大きな溜息を吐かれた上に、首を横に振られてしまった。