ぼくと世界とキミ


《グアアアアァ!!》

ドラゴンが大きく口を裂き、空に向かって吠える。

その叫びは大地を轟かせ、それに怯える様に森の動物達が逃げて行くのが見えた。

……怒っているのだ。

結界に近寄る《人間》……自分を苦しめてきた《人間》

大切なモノを奪おうとする……《人間》に。

ドラゴンは大きく翼を開き、鋭い牙を剥いたまま俺達を睨みつけている。

「お願い!邪魔しないで!!」

少女が懸命に叫ぶが、ドラゴンは決して退こうとしない。

少女の言葉を拒絶するかのようにドラゴンは低く喉を鳴らすと、まるで諭す様な瞳で少女を見つめた。

「ロイ!その子を引き付けて!!」

少女はそう言うと腕でゴシゴシと涙を拭い、ドラゴンに向かって真っ直ぐに飛んで行く。

その瞬間、ドラゴンの後ろにはある小さな泉が、眩い光を放ち出した。

……おそらくあれが《結界》