ぼくと世界とキミ


「私が《結界になる》の。私の《命》を結界に注ぎ《強化》する。今までも誰かがこの役目を背負ってきた。誰かがやらなくては全てが消える。だから今度は……私がやるのよ」

そう言って少女はニッコリと笑みを浮かべると、真っ直ぐに俺を見つめた。

それは何者にも覆せない……覚悟を決めた強い眼差し。

少女の小さな体の一体どこから、そんな強さが生まれるのだろうか。

「ほ、他に方法は無いのかよ!?なぁ?セリア?ジル!?」

そう言って二人を見るが、二人は決して俺と目を合わせようとしない。

それだけで……答えが分ってしまった。

「お、おかしいだろ!?何かを守るために何かを犠牲にするなんて!!もっと考えよう!!みんなが助かる方法とかさ!?」

「そんな方法あるわけないでしょ。……それに時間も無いの」

少女はそう素っ気なく答えると、呆れた様にため息を吐いた。

「でも俺は……お前を見殺しになんてできな……」

「キレイごと言わないでよ!!」

俺が全てを言い終わるよりも早く、少女はそう声を荒げた。

少女は俺の肩から飛び立つと、鋭い視線を俺に向けたままギュッと強く拳を握り締める。

「みんなが幸せなんてなれない!!何かを犠牲にしなくちゃ……何一つ守れないのよ!!」

その少女の悲痛な叫びに、ズキンと酷く胸が痛んだ。

茫然と少女を見つめたまま、言葉を失った。

……俺の心は弱いのだろうか。

……考え方が甘いのだろうか。

その弱さがいつも誰かを傷付けてしまう。