「……なぁ」

終りの見えない道のりに心が折れかけ、それを振り払う様に少女に声をかける。

「そう言えばさ……《守護者》って何なんだ?」

その俺の問いに少女はパタパタと前を進みながら、微かに俺を振り返った。

「……教えたじゃない。《守護者》は……《結界》を守る《番人》なの」

「でもさぁ……それっておかしくないか?結界を守る番人なら何でお前の邪魔をするんだよ?結界を直してやるってのに邪魔する理由が俺には分らない」

「……それは」

俺の問いに少女が何か答えようと小さく口を開いたその時だった。

グニャリと温い何かが体を撫ぜる様な奇妙な感覚を覚える。

目に映る景色は何も変わらないが、何か薄い膜を通り抜けた様な感覚。

……前にもこんな感じかした事があったような……

それから数十歩歩くと……急に視界が広がった。