「貴方に力が無いのは……その力を封印されているからです」
「……ふう…いん?」
女の言葉にゆっくりと顔を上げると、震える瞳で女を見つめた。
「貴方の力は《証を持ちし者》の加護を得る事で解放されます。勇者の力は使い方を間違えれば、世界を滅ぼせる程の強大な力。心の幼い時期に間違えて使ってしまったら危険でしょう?それを防ぐために封印したのです」
……世界を滅ぼせる力が……俺に?
女の言葉にそっと自分の手の平を見つめた。
握り締めたせいで爪が突き刺さり、そこから微かに血が滲んでいる。
「ジルの《証》に触れてみなさい」
……《証》……《痣》の事か。
そんな事を考えたままジルを見ると、ジルは心底嫌そうな顔をしていた。
……男に触れられて嬉しい筈がない。
「……頼むよ」
そう小さく呟いてジルを見つめると、ジルは今までで一番大きな溜息を吐いて頷いて返した。
そしてジルがそっと服を捲りあげると、彼の左の脇腹の《痣》が目に留まる。
少し青い不思議な図形と文字の《痣》
それが……《証》



