ぼくと世界とキミ


アッシュ……どうか無事で。

燃え盛る炎の森を真っ直ぐに村へと向かって走ると、前方に人影が見えた。

「ルーク様!?なぜここに!?」

城に戻る途中らしい兵士達が僕に気付き、驚いた顔をして僕を見つめている。

「村は……どうなったの?」

その僕の問いかけに兵士は俯くと小さく口を開いた。

「全て終わりました。思いのほか魔物が強くかなりの兵士がやられましたが魔物は全て……」

兵士の言葉を聞き終わる前に……そっと剣を手にする。

僕には大き過ぎて不格好なその剣は、まるで僕の心を映すかの様に黒いオーラを立ち昇らせた。

「ルーク……様?」

兵士は突然現れた不気味な剣に怯える様に一歩後ずさり、大きく目を見開く。

何も答えないままその兵士に走り寄ると……兵士の体に深々と剣を突き刺した。

兵士は苦しそうに呻くと、夥しい血を流したまま地面に崩れ落ちる。

兵士の体から夥しい血が流れ出し、薄暗い森の湿った地面を悲しく濡らした。

燃え盛る炎が僕の涙の流れる頬を紅く照らす。

その僕の姿を見た兵士達が悲鳴を上げながら一斉に逃げ出した。

逃げて行く兵士達の姿が見えなくなると、自分の血に濡れた手を静かに見つめ……そして彼の村に向かって走り出した。