ぼくと世界とキミ


「魔物は全て殺せ!!」

外から兵士達の怒声と慌ただしい足音が聞こえてきた。

……おそらくグレノア兵だろうか。

「やっぱり……ルークが!!」

フィロが取り乱す様に叫ぶと、それに答える様に首を横に振った。

「アイツはそんな奴じゃない」

そう言ってフィロを真っ直ぐに見つめると、フィロは唇を噛みしめ俯いた。

「……ごめんなさい」

自分の口にした言葉を後悔するようにフィロは小さく謝ると、ポロポロと涙を流す。

すぐに自分を責めて泣き出すのが……コイツの悪い癖だ。

そんな事を思いながらギュッと強くフィロを抱き締める。

「ちゃんと隠れてろよ?俺が……絶対お前を守って見せる」

そう言ってニヤリと笑ってフィロの頬に口付けると、嫌がるフィロを無理やり床下へ隠し……それから家の外へと出て行った。

突然現れた俺の姿に、兵士達は表情を険しくして剣を構える。

それを見て小馬鹿にした様にクスリと笑って見せると、兵士達は更に表情を険しくして俺を睨んだ。

その瞳はまるで汚らわしいモノを見る様な瞳で、俺にとってとても不快なモノだ。

兵士達の鎧には、グレノア王家の紋章が刻まれている。

……俺はルークを信じてる。

俺の初めての……《トモダチ》

優しい人間の少年の事を思い出しながら微笑むと、襲いかかる兵士達に向かって走って行った。