「ここから出して下さい!!」
鉄格子をガタガタと揺すり、懸命に叫ぶが……聞く者は誰もいない。
「誰か……」
擦れた声でそう呟き、崩れる様に地面に座った。
薄暗い地下牢の中、何も出来ない無力さを感じたまま……刻々と時間だけが過ぎて行く。
それからどれだけ時間が経っただろうか。
何も聞こえない静寂を引き裂く様に、コツコツと誰かが暗い階段を下りてくる気配がした。
その気配の主へと視線を向けると、そこには……一人の男が立っている。
「……と、父様」
震える声で小さく彼を呼ぶと、父はゆっくりと僕の居る牢に向かって歩いて来る。
「……ルーク」
父は憐れむような瞳で僕を見ると、僕から視線を逸らす様に静かに俯いた。
「父様、聞いて下さい!!あの森の魔物達は……」
しかし僕の話を遮る様に、父が首を横に振った。
「諦めなさい。人と魔物は共に生きられぬ。それに兵士が森に向かった。もう……遅い」
父のその言葉に愕然とし、ギュッと強く鉄格子を握りしめる。
……アッシュ。
心の中で小さく彼の名を呼ぶと、僕の頭の中に彼との様々な思い出が過った。
それは僕の胸を息も出来ない程に締めつけ、そしてまるで何かを訴える様に僕の心をざわめかせる。



