それから暫く経った日の事だった。
「こっち、こっち!」
そう言って手招きをするアッシュに連れられ、深い森を更に奥へと進んで行く。
「ねぇ?どこに行くの?」
「着いてからのお楽しみだ」
アッシュはそう言って意地悪そうに笑うと、僕の手を引いて薄暗い森を歩き続けた。
そのまま引き摺られる様に森を歩き続けると、急に視界が広がった。
「ここって……」
目の前の光景に、思わずゴクリと息を呑む。
驚きの眼差しをアッシュに向けると、アッシュは優しく笑ってコクンと頷いて返した。
「俺の村!!」
そう言って両手を広げて笑った笑ったアッシュの後ろには、沢山の木で作られた家が立っているのが見えた。
広場の様なほんの少しのスペースに、数十軒の家が不規則に建っている……小さな村。
田舎の人間の村とあまり変わらない。
ただ大きく違う所は……住んでいる生き物が違うという事だった。
村に住んでいるらしい魔物の赤い瞳が、突然な現れた人間を窺う様にユラユラと揺れている。
その瞳に前に遭った恐ろしい出来事を思い出し、ゴクリと息を呑んで身を竦ませる。
「大丈夫。ここの魔物はお前は食わないよ」
少し不安になった僕の頭を優しく撫でながら、アッシュはそう言ってニヤリと笑った。



