「トモダチになって!!」
声を精一杯振り絞りそう叫ぶと、男は驚いた様な顔をして勢いよく僕を振り返った。
……僕だってビックリだ。
男の間抜けな顔を見つめたまま、グッと拳を握り締める。
思いもよらぬ言葉が……いや、心の奥で本当は思っていたのかもしれない。
彼なら僕の気持ちを分かってくれるのかもしれない……と。
男は放心状態で、茫然と僕を見つめたまま動かない。
……口が半開きだ。
「トモダチになって!!」
もう一度同じ言葉を繰り返すと、男は表情を曇らせ俯き、それから静かに僕に背を向けた。
「嫌だ」
男は冷たくそう答えると、森の奥に向かってゆっくりと歩き出す。
「僕、明日の昼間、またここに来るから!!」
男の後ろ姿に向かって懸命に叫ぶが、男はそれを無視してスタスタと歩く速度を上げた。
「待ってるから!!」
遠くなっていく彼の背中にもう一度叫ぶと、勢いよく身を翻し城に向かって走り出した。



