「男のくせに泣いてんじゃねーよ!!情けねー奴だな!!」
男は冷たく……でも引き剥がす事はやめて、僕の頭をワシャワシャと撫で回しながら不機嫌そうにそう声を荒げた。
「もう何もいねェからさっさと自分の家に帰れ!!大体お前が悪いんだぜ?こんな時間に一人でいたら、食ってくれって言ってる様なもんなんだからな!!」
男は意地悪そうに笑ってそう言うと、僕の頭をバシバシと叩いた。
「ほら……出口まで送ってやるから」
男はそう言って僕の手を掴むと、グイグイと凄い速さで歩き始める。
「ちょ、ちょっと待って!速いよ!!」
慌てて男を呼び止めると、男の赤い瞳が僕を睨んだ。
「だ――!!うるせーガキだな!!ただでさえ人間なんかに関わるのなんてゴメンなんだぞ!!」
男は心底苛立ったように頭を掻き毟ると、これでもかと眉を顰めて見せた。
しかしそんな冷たい事を言いながらも、男は歩く速度を遅くしてくれる。
……口は悪いけど、優しい。
そんな事を考えながら無言のまま引きずられる様に歩いていると、あっと言う間に森の出口に着いてしまった。
「じゃーな!もうここにはくんなよ!!」
そう言って僕の頭を軽く叩くと、男は僕にクルッと背を向け、森の奥に向かって歩いて行く。



