ぼくと世界とキミ


荒い呼吸音と共に、ガサガサと茂みの中を何かが動く気配がした。

深く暗い茂みから目を離せないまま、カタカタと体を震わせる。

……嫌だ。

……誰か。

「助けて!!」

誰かが助けてくれるはずもないと分かっているのに……気付くと大きな声で叫んでいた。

「この……糞ガキ!!」

その声と同時にゴンと頭に鈍い衝撃が走る。

……頭が痛い。

痛む頭部を擦りながらゆっくりと振り向くと、そこには……あの男が立っていた。

「こんな時間に一人で森に入るなんてバカか!!だいたい……うおっ!?」

男の言葉を聞き終わるよりも早く、勢いよく男の体に抱きついた。

「おい!ふざけんな!離れろってば!!」

体にしがみ付く僕を男が懸命に剥がそうとするが、強く男の体を掴み決して離さない。

……いつの間にか、泣いていた。

みっともなく男にしがみ付いたまま、僕の瞳からポロポロと涙が零れる。