ぼくと世界とキミ


次の日……母は遺骨になって帰ってきた。

この国では土葬が主流だが、僕にお墓を買うお金は無く火葬になった。

母が死んだ事で、僕の生活は大きく変わった。

子供には部屋は貸せないと家を追い出され、一日サボったと仕事はクビになった。

行き場を失い、気が付くと母の遺骨を抱えたまま……河原にいた。

あの日から涙が流れる事は無く、ただ生きる意味も見い出せないまま、時間だけが静かに流れて行く。

まるで別世界の様に穏やかに流れる川を眺めながら、そっと骨壷を開けてみた。

骨壷の中には、真っ白な欠片が静かに納まっている。

人は死んだら……こんなモノになってしまうのか。

白い欠片を手にすると、それはポロポロと脆く崩れてしまう。

何も考えないまま全ての欠片を細かく砕くと、その粉を……そっと川に流した。

白い粉がサラサラと水に溶け、思い出と共に流れて行く。

全てを川に流し終えると、空になった骨壷をその場に置いたまま……河原から立ち去った。