ぼくと世界とキミ


真っ暗な道をプレゼントを抱えて走る。

ボロボロの階段を駆け上がり息を切らせたまま扉を開けると、母は起きていた様でグラスにお酒を注ぎながら僕を振り向いた。

「お母さん、お誕生日おめでとう!!」

そう言って母に向かって綺麗に包装された箱を差し出す。

すると母は無表情のまま箱を受け取ると、上に乗ったカードは見ずに包装をビリビリと破った。

中から現れた白い箱を母が開くと……そこから真っ赤な靴が姿を現す。

母はその赤い靴を何も言わないまま茫然と見つめている。

「お母さん、赤い靴が好きだったでしょ?だから僕……」

その言葉を言い終わるよりも早く、何かがぶつかる鈍い痛みが僕の胸に広がった。

……何が起こったのか分からなかった。

そっと視線を床に落とすと、そこには真っ赤な靴が悲しげに転がっている。