ぼくと世界とキミ


振り続ける雨の中、激しい攻防が続き、金属の弾き合う音だけが響き続けた。

ジルは殺意に囚われた禍々しい瞳を揺らし、ノヴァに隙の無い攻撃を続ける。

初めは上手くそれをあしらっていたノヴァだったが、右手が使えないせいか、次第にジルに押され始めた。

激しい雨に打たれ、ドクドクと血を流す左肩を押さえたまま……茫然と二人の攻防を見つめていた。

「ジル!!」

急に後ろから声が聞こえ振り返ると、そこには息を切らせたアシュリーがいた。

そして次の瞬間、アシュリーはノヴァに向かって激しい炎を纏った矢を放つ。

「……なっ!?」

思いもよらなかった突然の攻撃に、ノヴァに一瞬の隙が出来る。

ジルはその一瞬の隙を見逃さず、手にした剣を振り払った。

ザシュッと肉を切り裂く鈍い音が聞こえたかと思うと、ノヴァが胸から真っ赤な血を流し、その場に蹲った。

ノヴァの手から鎌が零れ落ち、カランと虚しい音を鳴らす。

どうやら致命傷を負った様で、ノヴァを傷口を押さえたままゼイゼイと呼吸を荒げていた。

ジルはコツコツと靴音を響かせ蹲るノヴァの目の前に立つと、それからゆっくりと血に染まる剣を振り上げる。