ぼくと世界とキミ


「お前が……村を襲ったのか?」

ジルの微かに震えるその問いに、ノヴァは不思議そうに首を傾げる。

「お前が……ク―を」

そのジルの呟きにノヴァは少し驚いた様に目を見開くと、それから少しだけ困惑した様に瞳を揺らした。

「クーって……人間に飼われてた……魔物の?」

「……そうだ」

ノヴァの問いにジルが短く答えると、ノヴァは悲しそうに表情を曇らせ……そっと視線を逸らした。

「僕はアイツに少し力をあげただけだよ。……儚い幻想を断ち切る力を」

ノヴァがそう呟いたその瞬間、ジルの手に《剣》が姿を現し、ジルは真っ直ぐにノヴァを見つめたまま走り出した。

そのジルの瞳が……殺意に囚われた禍々しい光を放つ。

「……ちっ!」

ノヴァは小さく舌打ちをすると、鎌を左手に持ち替えジルの剣を受けた。

……どうやらさっきの怪我のせいで、右腕は機能しないらしい。