「ルークの望む未来のために……死ね!!」
その少年の嘲笑う様な叫びと共に、少年の鎌が私に向かって振り下ろされた。
咄嗟に目を閉じ、迫る衝撃に備えるが……その鎌が私を傷付ける事は無かった。
そっと目を開くと、そこには黒い影が見える。
獣の様な体をしたその影は、黒く長い尾を威嚇する様に振り上げ、少年に向かって牙を剥いている。
「……クー逃げて!!」
しかし私がどんなに叫んでも、ク―は私を守る様に少年に立ちはだかったまま動こうとしない。
そんなク―を少年は驚いた様に目を見開いて見つめ、微かに唇を震わせた。
「お前……魔物なのに……どうして人間を守るの?」
その問いにク―は答えず、今にも飛びかかりそうに唸りながら少年を威嚇する。
「お前は馬鹿だね。ここは……お前の《居場所》じゃないよ」
少年はク―を見つめそう呟くと、悲しそうに瞳を揺らす。
「……ねぇ、お姉さん。お姉さんはコイツが大切?」
その問いと共に少年は真っ直ぐに私を見つめる。
「この子に手を出したら……私は絶対に貴方を許さないから!!」
そう声を荒げギュッと強くク―を抱き締めると、それを見ていた少年は微かに唇を噛み締め静かに俯いた。
「……お姉さん、知ってる?魔物と人間は……一緒には生きられないんだ」
少年は俯いたまま小さく呟き、それから悲しそうに笑う。
「それを僕が証明してあげるよ!!」
そう言って少年が顔を上げ、少年の赤い瞳がク―を捉えたその瞬間、クーの体から……禍々しいオーラが立ち昇った。



