「行ってきます……カイン」

そのアシュリーの別れの言葉に、カインが少し寂しそうに頷いて返した。

あれから話し合った結果、アシュリーは俺達と一緒についてくる事になった。

メルキアでは双子の《妹》の存在は頑なに隠されてきたらしく、アシュリーの存在を国民は知らない。

突然現れた《彼女》の存在は、国の混乱を招くかもしれないと考えたアシュリー自身の決断だった。

「悲しそうな顔をしないで?私達は生まれた時から二人で一つ。心はいつも貴方と共にあるわ」

そう言ってアシュリーは自分の左腕に嵌められている腕輪にそっと手を触れた。

それに応える様にカインも自分の右腕に嵌められている腕輪に触れると、二人は静かに微笑み合う。

「妹を……よろしくお願いします」

「心配すんな!!」

深々と頭を下げるカインにそう言って笑い掛けると、少し安心したのかカインは穏やかな笑みを浮かべて頷いた。

「では……お元気で」

そのカインの言葉に見送られ、俺とセリアとジル……そしてアシュリーを加えた四人で、スカイトレインの駅へと向かって歩き出した。