ぼくと世界とキミ


「な、何をする気なんだ?」

急に現れた剣に驚く様にカインは目を見開き、引き止める様に俺の腕を掴んだ。

しかしそれを冷たく振り払うと、真っ直ぐに《彼女》の沈められた水槽へと歩いて行く。

「まだアンタ達は何も終ってなんかないよ。……《あいつ》とは違う」

その言葉と共に、水槽に向かって剣を振り下ろした。

パリンッという甲高い音と共にガラスが砕け散ると、物凄い勢いで水槽から水が流れ出す。

その水はまるで今までこの場で死んでいった《彼女達》の流した涙の様で……それは俺の服を悲しく濡らしていく。

「何をしたのか分っているのか!?貴方は僕達の決意も、メルキアの未来も……全てを今、壊したんですよ!!」

取り乱すカインを無視して、十字架からそっと《彼女》を下した。

静かに目を閉じたままの《眠る》彼女の腕からそっと腕輪を外すと、掛け寄って来たジルとセリアに彼女を預ける。

そして茫然と割れた水槽を見つめるカインの胸元に……腕輪を差し出した。