ぼくと世界とキミ


「フロントに行って何か明かりになる様な物を借りてくる」

深い闇の中からジルの声が聞こえ、続いてカツカツと扉に向かっていく足音が聞こえる。

そしてガチャッと扉が開かれる音が聞こえたそのすぐ後に……突然部屋が虚ろな光に照らされた。

その光が照らし出した《影》を認識したその瞬間、大きく口を開く。

「ギャーーー!!なんか居るーーー!!!」

その劈く様な悲鳴と共に、廊下に立っている《それ》を指差す。

部屋の入口には《火の玉》をぶら下げた、怖ろしい化物が居た。

その化物は俺の様子を窺う様にピクリとも動かず、こちらをジッと恨めしそうに見つめている。

「……ジ、ジルッ!!なんとかしろ!!は、はやく……退治して……」

軽くパニックに陥りながらそう叫ぶと、ジルが険しい顔をして物凄い速さで俺に向かって歩いて来る。

「いい加減に……しろっ!!」

そのジルの声と共に、俺の頭に鈍い衝撃が走った。

……痛い。

……殴られた。

……ジルに。

……何で!?

痛む頭を擦りながら茫然とジルを見つめると、ジルは心底呆れた様に深いため息を吐いた。